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4六銀~3七桂型;基本の攻めを確認 [矢倉▲3七銀]

前の記事で本線という単語を用いたが、今回はその基本となる攻め筋の確認である。
その意味では1回休みに近いか。

▲4六銀~▲3七桂。おなじみの形であり、基本となる攻め筋の中でも比較的ポピュラーなものであるとは言え、今回その内容を確認し、その深さを改めて思い知ることとなる。

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今回は基本の攻め筋を確認。

図は33手目、▲4六銀と出た局面。これまで見てきたように、ここで△4五歩と突くのは後手にとって得策とは言えないようである。従って後手はここで△5三銀と上がり、以下▲3七桂△7三角▲2六歩△2四銀▲1六歩△1四歩▲3八飛△9四歩▲1八香△8五歩(44手目図)と進む。

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先手陣は攻撃態勢がほぼ整ったが・・・

44手目図となって先手の攻撃態勢は整っている。しかし、ここで攻めずに▲9八香と上がりさらに自玉に手をかける順が現在の主流となっているようだ。ただ、今回は基本の攻め筋を確認する趣旨。▲2五桂(45手目図)と跳ねる。

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ここで△4二銀や△4五歩など後手にも選択肢は多い。

この▲2五桂では先に▲3五歩や▲5五歩と先に歩を突いて仕掛けた実戦も数多く指されているようだし、実際私も見てきた。一例として、▲5五歩以下△同歩▲3五歩(▲2五桂は△4五歩▲同銀△4四歩)△同銀▲同銀△同歩▲1五歩△同歩▲2五桂△2四歩▲1五香△同香▲3三歩△4二金寄(下図)となってやはり無理。

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先に歩を突くのはやはり無理か。

というわけでまず▲2五桂と跳ねるわけだが、これに対しては△4二銀や△4五歩など、後手にも選択肢が多い。今回は本記事の趣旨に則り漫然と△9五歩と伸ばしてみよう。先手は▲5五歩(47手目図)と開戦。

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5筋から開戦。

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矢倉3七銀戦法;現在の主流を齧る(後手△8五歩) [矢倉▲3七銀]

▲3七銀戦法の駒組み段階で△2二玉の入城に代えて図の△8五歩を急ぐ手もあるので見てみたい。この△8五歩という手は最近ではあまり採り上げられることはないようにも思うが、前の記事でも途中の変化で紹介したとおり盛んに指された時期があったのも事実である。

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嘗てはこれが主流だった時期も。

当時この△8五歩は直後の▲4六銀を警戒した手であったように思う。具体的には△8五歩に▲4六銀なら△4五歩▲3七銀△5三銀▲4八飛△4四銀右▲4六歩△同歩▲同角△同角▲同銀△4七歩▲3八飛△4九角▲2八飛△4八歩成▲同飛△2七角成▲4五歩△5三銀▲5八角△3五歩▲3七銀△3六歩▲同角△4七歩▲同角△4五馬▲2五角△3四銀▲3六銀△4四馬▲同飛△同銀▲1六角△8六歩▲同銀△3五歩▲4五歩△3三銀▲3五銀△同銀▲7一角△8六飛▲同歩△3九飛(78手目図)で後手よし、は今となっては過去の話か。

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嘗ての△8五歩の狙い。後手よし。

尚、前の記事でも紹介したが、上の手順中▲5八角のところ▲4七角と工夫した実戦が羽生-谷川両先生の将棋で、以下△2六馬▲3七銀△1五馬▲1六歩△2四馬▲1五歩△4二銀左▲3八角△3三馬(62手目図)と進んでおり、これらの変化は共に後手よしだと思う。これにより△8五歩に対する▲4六銀がなくなり、これまで見てきた加藤流と言われる▲1六歩~▲2六歩が主流となっていたはずだったのだが、前記事の▲5七金が発見されてからであろうか、いつの間にか再びこの▲4六銀が復活、主流となっていたようである。

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厚い後手陣。

それが理由であろうか、時代は変わりこの△8五歩の狙いも新たなものとなっている。

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矢倉3七銀戦法;現在の主流を齧る [矢倉▲3七銀]

いよいよこれまで主流の周辺として、図から▲1六歩~▲2六歩と突く、所謂「加藤流」を見てきた。嘗て私が矢倉の詳しい定跡を齧った当時はこの加藤流こそが最新の定跡であったはずなのだが、時は流れ、いつの間にか図からいきなり▲4六銀と出る手が再び主流となっていたのである。

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加藤流▲1六歩の時代はいつの間にか終わっていた。

32手目図から▲4六銀(33手目図)とすぐに出るのが現在の主流。

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ある手の発見がこの▲4六銀を復活させたのかも。

今回は▲4六銀に対し直ちに△4五歩(34手目図)と突く変化を見ていく。

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▲4六銀に対する△4五歩。一目指したくなる手なのだが・・・

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矢倉3七銀戦法;主流の周辺⑥ [矢倉▲3七銀]

⑥まで来た(いつまで続くやら)。今回は▲1七香・▲1八香に続く第3の手段、▲3八飛(図)を見ていく。

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▲1七香・▲1八香と比べ、形を決めすぎない分、最も融通が利くように思える。

さて、このあとの展開は・・・

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矢倉3七銀戦法;主流の周辺⑤ [矢倉▲3七銀]

先回は△5三銀に対し▲1七香の変化を調べた。後手が悠長な応対をすると端攻めを見て主導権を握りにいく指し方だったが、▲1七香に△7三角以下応じられると端攻めの狙いが間に合わず、かつ第2の選択▲4六銀以下の戦いも将来△2五桂と跳ねた手が1七の香に当たり芳しくない結論に終わった。

そこで改良策として▲1八香(図)を見ていく。

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端攻めは諦めるが△2五桂のときに香当たりにならない。

ここで後手はどう応じるかも岐路。▲1七香同様、△7三角か、それとも他の手か・・・

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矢倉3七銀戦法;主流の周辺④ [矢倉▲3七銀]

ちょっと真面目にやりだすと意外と止まらない。気づいてみると既に④である。

これまでは後手が△7三銀と攻勢をとったが、ここでは△5三銀(図)と守勢にまわる。

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先手の攻め、後手の受け。

実戦もこの△5三銀が多いように思う。これに対する先手の比較的初期の指し方を見ていく。

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矢倉3七銀戦法;主流の周辺③ [矢倉▲3七銀]

今回は△9四歩▲1五歩の交換を入れてからの△7三銀(38手目図)。駒がぶつかる位置にまで歩を伸ばすことが出来たのだから、この交換は当然先手有利だろうと思ってしまいがちだが、実はそうでもないようである。

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端の交換の影響はどこにあるのか・・・

端の交換が入ったこの形では、後手は棒銀に出るのが有力(▲9六歩△8四銀と追い返された直後に△9五歩が残る)である。図以下▲4六銀△4五歩と進んで40手目図。

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単に△4五歩が新しい。△7五歩▲同歩△4五歩も勿論ある。

単に△4五歩。上述の通り、△7五歩▲同歩△4五歩もあるのだが、これは前の記事で述べた展開となり、冒頭で述べた、端の交換の分先手が得だと思う。

△4五歩に対する先手の応手は▲6五歩の反発か、無難(?)な▲3七銀か・・・

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矢倉3七銀戦法;主流の周辺② [矢倉▲3七銀]

先の記事で触れた△7五歩▲同歩に△4五歩(下図)、これを観てみたい。

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後手の工夫。

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懲りずに踏み込む [ひねり飛車]

2010年10月24日。社団戦リーグ最終日。

思えば本年は(昨年もだが)本当にラッキーなきっかけで出場させていただいたのだった。本当に最後の対局となる可能性高き一戦の相手は、本年リーグ無敗のチームであった。

私が先手である。横歩取り模様の局面から私が横歩を取らず飛を引き、ひねり飛車模様に。そして先回同様、▲3六飛(33手目図)。

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このタイミングでの▲3六飛は疑問。

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プロの寄せを堪能 [矢倉中飛車]

本日放送されたNHK杯戦;小林(裕)六段-島九段の両先生の対局より。

後手の島先生が矢倉中飛車から自陣を顧みない攻めを決行、小林先生も▲5四歩(実際は疑問手だった)と強気に対抗、なんとも激しい展開に。局面は進んで52手目、後手が△6七銀成とした局面。

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▲6七同金以下どう進展するかと思いながら見ていたが・・・

ここからの進展が驚きの連続であった。

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