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▲5八飛を振り返る⑥ [矢倉▲3七銀]

△5四歩の決戦、その前に後手の最善形とされる9四歩型を見ておこう。前記事の△8五歩に代えて△9四歩とついた他は全く同じ進行を辿り48手目図、△5一飛の局面。

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ここででも先手は▲5五歩と収めるのが定跡だが・・・

決断の△5一飛。もしここで先手が前記事同様、▲9六歩と手待ちをした場合も見ておこう。▲9六歩以下△3五歩▲5五歩△3六歩▲2五桂△4二金寄▲3八飛△3一飛と進んで56手目図。

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おなじみの手順。ここで8五歩型との違いが現れる。

後手の歩が8四で止まっているため、▲9七桂の勝負手すらない状態となっている。もっとも、△3一飛型で構えられては8五歩型でも最後に△8一飛があるため▲9七桂自体無理があるのだが。56手目図以下▲5六金△9三桂▲6五金△4五歩▲7四金△4六歩▲7三金△3七歩成(64手目図)となって先手不利。

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先手失敗。この形で△3五歩以下の仕掛けを許してはいけない。

尚、▲6五金のところでこれまでにも出てきた▲3九飛も考えられるが、△6四歩▲6五歩△8五桂(62手目図)と捌かれ、これも先手苦しい。

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9四歩型のメリット。桂の足が速い。

56手目図以下は変化も含めただ進めてみただけという感じ。ここまで進んでみれば、冒頭△5一飛の局面で▲5五歩(49手目図)が定跡となっていることに納得することだろう。

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▲5五歩。これが定跡となっている。

▲5五歩と収められ、次に先手から▲2五桂や▲3五歩が見えている。後手もゆっくりとしてはいられないのは8五歩型同様。そこで後手もここで△5四歩と合わせて来ることになる。やはり△5一飛は次の▲5五歩~△5四歩へと繋がる決断の一手ということになる。

△5四歩と合わせた後も8五歩型と9四歩型の違いがまた現れる。その違いも含め、次回より5八飛型の現時点での結論へ向かう。

 

(参考文献①)

将棋世界誌2010年10月号

 

(参考文献②)

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