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▲5八飛を振り返る④ [矢倉▲3七銀]

△5二飛に対する▲4六銀(図)。前回、普通に指されていると書いたが、簡単ではない。

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先手の結論か、▲4六銀。ここからの変化がまた多彩。 

 この▲4六銀の局面、気になる手がある。まずはその変化から見ていく。

気になる手、それは△3五歩(48手目図)。後手としても、いや誰が見ても第一感だろう。

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気になる一手。どう対応するか。

普通に見ても△3五歩は厳しい。▲3五同歩は△3六歩▲2五桂△3七歩成だし、▲3五同銀は勿論△3七角成で論外。△3五歩に対して先手は▲5五歩と止めるよりない。以下△3六歩▲2五桂と進んで51手目図。

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後手調子よく見えるが、呼び込んでいるという見方もある。

51手目図以下△4五歩▲同銀△3七歩成で後手成功と思われるが、それは▲1五歩△同歩▲3三歩(57手目図)となって後手危険と見られている。

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▲6五桂の筋もあり後手危険とされている。将棋の難しさを思い知る瞬間。

後手も簡単によくはならないということのようだ。そこで一旦△3一金(52手目図)と辛抱(?)する。

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3六の歩を守る狙い。

△3一金自体は奇異な形だが、▲3八飛とまわられたときに△3二飛とまわる余地を作ったもの。52手目図以下▲1五歩△同歩▲3八飛△3二飛▲5六金△6四歩▲6五歩と進んで59手目図。

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先手は歩を持ち駒に加えたい。

1筋を突き捨てるタイミングは個人的には難しいと思う。互いに飛を回った後、先手は▲5六金。△4五歩を受けただけの手に見えるが、真の狙いは▲6五金と歩を取りに行くというもの。それを受けた△6四歩にも▲6五歩。対して△6五同歩▲同金△4五歩▲同銀△3七歩成には▲3三歩(65手目図)が利く。この歩が入れば先手はなんとかなる、とされている。

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折角3六まで歩を伸ばしてもこのような形になっては後手としても冴えないだろう。

△6五同歩以下の手順では冴えない後手は△4二金上と備える。以下▲6四歩△同銀▲3三歩△同桂▲同桂成と進んで65手目図。

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▲3三歩を実現、しかし後手陣も厚い。

歩を入手した先手は早速▲3三歩と打ち込む。65手目▲3三同桂成の局面、どの駒で取るかも迷うところだが、△3三同飛▲3五桂△3四金▲3六飛(69手目図)が一例。

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難解。

69手目図まで進んで、先手には次に▲2三桂成△同玉▲3五歩の狙いがある。後手陣は密集しており、先手陣は5六の金が離れているなど不安要素もあるとは言え、先手が攻勢をとっていることには違いなく、この展開は僅かながら先手が指せる流れのようだ。

現在、▲4六銀に対し△3五歩と突くのは危険とさえされているようだ。ただ、この結論に至る背景としては今回の内容だけでは不完全過ぎる。次回、△3五歩、及びその周辺についてもう少し詳しく調べてみたい。

 

(参考文献①)

将棋世界誌2010年9月号

 

(参考文献②)

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