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矢倉3七銀戦法;現在の主流②(その4) [矢倉▲3七銀]

▲2五桂に対し△9五歩と待つ手、いきなり△4五歩と突く手を見てきたが、先手に正しく対応されるとあまり芳しくなかった。そこで今度は△3三桂(52手目図)とぶつける手を見る。

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第3の手段、△3三桂。守りの桂を攻めの桂と交換する非常手段か。

△3三桂に対しては▲5五歩(下図)と突いてみたいところ。

BANT002.jpg

▲5五歩。これが成立するならば簡単だが・・・

▲5五歩に対し△同歩なら▲1五歩△同歩▲3五歩(下図)というおなじみの順。

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これは先手調子よい。

こうなっては後手さすがに拙い。▲5五歩に対しては△4五歩▲3三桂成△同銀上▲4五銀△5五角(下図)と反発。

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これは難解。形勢は難しいが先手としては望んで進める変化ではないだろう。

△3三桂のぶつけに対し▲5五歩は指したい手なのだが、次に取り込む手が当たりになるわけでもないため、そう簡単にはよくはならない。では、△3三桂に対し素直に▲3三同桂成はどうか。以下△同銀上▲2五桂△同銀▲同歩△4五歩と進んで58手目図。

BANT005.jpg

後手、強気な応接。 

後手は自陣の守りの桂を先手の攻めの桂と交換し、さらに強く△4五歩と突く。対して▲3七銀と引くのは△9五桂(図)という狙いの一手が炸裂する。

BANT006.jpg

後手狙いの一手。単純ながら厳しい。

△9五桂と打った局面、後手からは次に△8七桂成▲同金に△8六桂や△3七角成▲同飛△7八銀の狙いがある。それを受けて▲8八銀打にも△3七角成▲同飛△6九銀(下図)の強襲が成立する。

BANT007.jpg

▲7九金には△5八銀成。難しいが急所に手がついている感じだろうか。

△4五歩に▲3七銀では拙いと▲4五同銀と取るのも、△5三桂▲4六歩△4五桂▲同歩△4七銀▲3九飛△5八銀成▲7九角△2八角成(68手目図)で攻め駒を押さえ込まれる展開に。このあたりの手順は触れこそしなかったものの前記事にも応用出来る後手の反撃である。

BANT008.jpg

後手成功の図。

この展開は△3三桂と交換を挑んだ後手の狙い通りであり、先手失敗。途中、▲7九角と引いたため飛が死んでしまっており、さすがにこの手はないのだろうが、これに変わる有力手もまた難しい。

△3三桂に対し▲5五歩と突くのはさすがに緩く、▲3三同桂成と交換に応じるのも後手の狙い通りとなり先手失敗に終わった。他に手段がなければ穴熊の構想も駄目ということになるが・・・

 

(参考文献;将棋世界誌2011年2月号)


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