矢倉3七銀戦法;現在の主流②(その3) [矢倉▲3七銀]
前の記事では▲2五桂に対し△9五歩と待機する順を見た。難解ながらも先手が指せるようだ。待機する順が芳しくないとなれば後手も動くこととなる。ここではまず△4五歩(図)と動いてみる。
先に動く。取るのが正解かそれともおとなしく引くか。
図では▲4五同銀と取るのがこれまで見てきた流れからして正解のようだが、これは以下△2五銀▲同歩△5三桂となり、後手もそれなりにやれそう、と見られているようだ。
▲4五同銀で悪いなら後手にこの選択はない。
戻って△4五歩には▲3七銀と引くほうがよいようだ。対して△6四歩▲同歩△同角の交換なら、▲4六歩△7三桂▲4五歩△3三桂▲1五歩△同歩▲1三歩△2五桂▲同歩△1三銀▲2六桂(下図)という順で先手指せる。
次の▲1四歩、▲3五歩、▲4六角などの狙いが厳しい。
そこで▲3七銀に対し後手は直ちに△3三桂とぶつける。以下▲3三同桂成△同銀上▲4六歩△同歩▲同銀と進んで59手目図。
形勢不明か。
59手目図まで進み、形勢はどちらともいえない、茫洋とした局面とでも言えばいいのだろうか。尚、手順中、▲4六歩のところ▲2五桂と打つのは△同銀▲同歩に△9五桂(下図)と打たれ、次に△8七桂不成▲同金△9五桂などの攻めを狙われて先手拙い。
9九玉型の欠陥を突かれた形。
このように何気ない一手のミスが直ちに形勢を左右してしまうのが矢倉(に限ったことではないが)の怖いところである。
▲9九玉と入っても入らなくても難解な形勢が続く。本当に深く、難しい。
(参考資料;将棋世界誌2011年1月号)
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