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予定外のひねり飛車 [ひねり飛車]

名人戦2日目。半狂人としては気を落ち着けて望むしかない。どうやら最大の敵は自分自身のようだ。後手番になった私は▲7六歩に△3四歩と応じ、▲2六歩に△3二金。おなじみの横歩取へ誘導するが・・・

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端を突き合った後、先手は横歩取を嫌って▲2八飛。後手は△3三桂としてひねり飛車へ。

名人戦という重圧があったのか、先手はあまりにもおとなしく飛を下段に引いた。なかなか横歩取にはならない。仕方ないので私は△3三桂(20手目図)としてひねり飛車を目指す。

△3三桂に▲8七歩△7六飛▲7七角△2五歩と進んで24手目図。

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なにかおかしい。先手はなにか誤算があったのではないか。8七に歩を打った上に7六の歩まで取らせてしまってはいいところがないのではないか。早くも後手指しやすい形勢になったと思うのだが、横歩取模様から横歩を取った側(普通は先手)はひねり飛車にする指し方もあるにはあり、今回の後手側が丁度逆を持っている形なのだが、わざわざこの将棋の先手が8七に歩を打ってまで横歩を取らせてひねり飛車にさせるというこの戦い方は、好んで選ぶ指し方とも思えない。真意は測りかねる。以下▲3八銀△3五歩▲8八銀△6二玉▲6八玉△7二銀▲7九玉△4二銀▲6八角△7四飛▲7七銀△7一玉▲6六歩△3四飛▲4六歩△3六歩と進んで40手目図。

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切れるものは切っておく。

▲4七銀の前に△3六歩を実現、やはり先手おかしい。以下▲3六同歩△同飛▲4七銀△3四飛▲3六歩△1三角▲5六歩△4四歩▲3七桂△4三銀▲8八玉△4五歩と進んで52手目図。

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先手は▲3七桂と跳ねたものの、陣形の差もあり▲2五桂と行けない。後手はそれを見越して攻撃態勢を整え、逆に△4五歩と攻撃。後手好調。先手はどこかでせめて(▲8八玉のあたりで)▲3八金の一手を入れておくべきだった。52手目図以下▲4五同歩△4六歩▲同銀△3六飛▲4八飛△2六飛▲2八歩△4七歩と進んで60手目図。

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もう止まらない。▲4七同飛は△2八飛成だし、飛を横に逃げるのは4六の銀を取られる。

ここまで気持ちよく捌ける例は滅多にない。先手の心境やいかばかりか、60手目図以下▲4七同飛△2八飛成と飛成が実現。以下の手順は省略。最終盤、先手のと金には構わず一気の寄せ(90手目図)。 

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本譜は△7六桂に▲9八玉とかわし、私は△6八龍と切った。以下はどう応じても即詰みのようである。

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ひねり飛車の快勝譜というのは大体こんな感じが多い。一時期プロアマ問わず大流行したのも頷ける。


タグ:ひねり飛車
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